遠い昔の、記憶の中の風景
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縁側にじいちゃんがいる。
そこは、茶の間からじいちゃんの部屋へとつながる縁側の廊下だ。
今はリフォームをしてしまって、その縁側はないし、じいちゃんもいない。
だけど、じいちゃんと僕がいる。
記憶の中のその日は、とても晴れていて、暖かい日差しが差し込んでいる。
それは昭和60年頃の光景だ。
色は薄いブラウンで、明るくて、少し古びた写真のようだ。
何をしているのかはわからないけど、じいちゃんと僕がいる。
そして、じいちゃんはニコニコしている。
じいちゃんのことを思い出すと、なぜか怖い顔が浮かぶ。
でも、よーくよーく記憶を探ると、とても優しい顔で僕を見て微笑んでいる。
その顔を思い出すと、なんだか胸がポーッとあたたかくなる。
じいちゃんのおかげで、記憶の中の僕は孤独じゃない。
だって、優しい笑顔のじいちゃんが隣にいるから。