「本の運命」から学んだこと。
今回ご紹介する本は、井上ひさし「本の運命」です。
著者の井上ひさし氏は、「ひょっこりひょうたん島」などの名作を数多く残している作家です。本の重みで家を潰したり、十三万冊の蔵書で故郷の山形県に図書館をつくるほどの読書家です。すごいですねー!
そんな井上さんの半生と、本の読み方十ヶ条、子供を本好きにするには、など、実際に役に立つことが随所に書かれており、井上さんの読書への愛情がものすがく伝わってきます。
それでは、僕が本書から学んだことを紹介します。参考にしてみてください。
本に線を引くときの方法
よく、「大事なのは『赤』、まあまあ大事は『青』、自分の意見は『緑』など色分けして線を引くといい」と目にしますが、井上先生は、「わざわざそんなことはしなくていい。そんなことよりも、とにかく面白いと思ったり、ちょっとでも気持ちが動いたら、どんどん線を引いていく」と言います。
確かに、色分けしようとすると、これは赤かなー?いや、そこまでじゃないかなーとか悩んでしまって、読書の流れが止まってしまうことがあります。この方法がシンプルで取り入れやすいですね。
本を早く読む方法
これは逆説的ですが、「本はゆっくり読むと、速く読める」とあります。
「最初の10ページぐらいを特に丁寧に丁寧に、登場人物の名前、関係などをしっかり押さえながら読むと、自然に速く読めるようになる。そして、書き手の癖などもわかり、どこを飛ばしても大丈夫かわかるようになる。」
確かに、速く読もうとして最初からバーっと読むと、読み方が雑になり、結局戻って読み直さないといけなくなることがあります。
最初をゆっくり丁寧に読むことによって勢いもつき、本の中に入り込みやすくなりそうですね。これも試す価値がありです。
目次を睨んで、構造を見破る
「泥棒の名人が忍び込む前にその家の構えをじっくり観察するように、 専門書を読むときは、目次をじっくり読み込み、その本の構造を前もって見破る。そうすると、全体の構成や論旨の進め方の検討がついてきて、急いでいるときは、この章を先ず読んでおけばいいという勘が働くようになる。」
泥棒の例えはどうかと思いますが・・・
最初のページから順番に読まなければ流れがわからないんじゃないかな?と思ってたが、まず目次をしっかり読み込めば、その本がどういう流れで書いてあるかがわかり、飛ばしても大丈夫なところがわかるということですね。
本との出会いは「一期一会」
「本は『買おう』と思った時に買っておくのが鉄則。『買いたいな』と思うのは、その本がこっちのどこかに訴えかけている。本の訴えを聞いてあげれば、後で必ず恩返ししてくれる。」
本屋に行って、目的の本を買う時に他の本も見てたら、「おっ、これも面白そうだし、覚えといて今後買おう」と思い、次に行ったら無くなってた。とか、忘れてしまった。ってことがありますよね。その本はもしかしたらものすごく面白いかもしれない。自分が欲しい情報が満載かもしれない。「逃した魚はでかい」と後悔したくないですよね。
買っておけば、そんな後悔はしなくてすむし、必ず恩返しをしてくれる。
ロマンがありますね!一期一会の出会いを大切にしなくては!
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まだまだ読み返すたびに違う発見がありそうですが、今回はこんなところです。
いい本でした。
井上ひさし「本の運命」
ぜひ、読んでみてください。