僕がジェットコースターに乗れなくなった理由(わけ)
20歳ごろ、大阪の専門学校に通っていた時の話。
同じ地元出身で、関西に住んでいる友人たちとよく遊んだりしていた。
観光したり、お城を巡ったり、花見や忘年会などで集まった。
そんな中、神戸のポートピアランドに行った時のこと。
その時は男女5人か7人だったと思う。とにかく奇数だった。
色々な乗り物を楽しんだ。
もちろんジェットコースターにも乗った。
シートは二人乗りだったので、じゃんけんでペアを決めた。
奇数なので誰かだけ一人になる。
別にメンバーの中に恋愛感情のある人はいなかったので、誰と乗りたいとかはなかったが、男友達とペアになった。
少しガッカリ。
安全バーが降りてきて、体をシートに固定する。
そして、ガタガタと坂を登っていく。
心臓がドキドキする。
坂の頂上まで来た。
ゆっくりになったと思ったその時、ジェットコースターは勢いよく駆け下り、スピードを上げる。
ワーキャー言っているうちにゴールに到着した。
そのジェットコースターは一回転して逆さまになるやつで、すごく楽しかった。
「また乗ろう!」という話になり、もう一度乗ることになった。
じゃーんけーん、ぽんっ!
2回目は僕が一人で乗ることになった。
意気揚々とジェットコースターに乗り込みスタートを待っていたら、他のお客さんと相席になった。
少しふくよかな女性だ。
スタート間近、安全バーが降りてくる。
あれ?おかしいぞ?
なんと隣のふくよかな女性の太ももでバーが止まってしまった!
僕の太ももと安全バーには隙間が空いている・・・
そのままスタートし、坂道を登っていく。
大丈夫なんだろうか。
鼓動が早くなる。
さっきとは違うドキドキだ。
頂上に着き、僕はゴクリと唾を飲み込む。
一瞬止まったかと思うと、一気に坂道を駆け下りた。
ふわりとお尻がシートから浮き上がる。
僕は必死に安全バーにしがみついた。
もう楽しんでいる余裕なんてない・・・
助けて・・・
ーーーーーーー
なんとか無事ゴールに到着した。
1回目はあんなに楽しかったのに、もうクタクタだ。
隣の女性は満足そうである。
★
それ以来、僕はジェットコースターが怖くなってしまった。
完全にトラウマだ。
一度乗ってみたことはあるが、すごく怖かった。
もう二度と乗ることはないだろう。
とても残念だけど、地上で待ってます。