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コツを学び、自分なりに考える。

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今日は、作家の丸谷才一さんが文藝春秋に連載されていたものをまとめた本である、「思考のレッスン」を紹介します。

 

この本は、読書のコツや、考えるコツ、文章の書き方など、参考になることがレッスン形式で書かれています。

所々、著者の悪口が多く、少し嫌になりますが、そこはうまく読み流してでも一読の価値があります。

 

  • レッスン1 思考の型の形成史
  • レッスン2 私の考え方を励ましてくれた三人
  • レッスン3 思考の準備
  • レッスン4 本を読むコツ
  • レッスン5 考えるコツ
  • レッスン6 書き方のコツ 

 

というレッスン内容になっている。

 

レッスン1とレッスン2は、僕にはあまり必要なかった。読み飛ばしてもいいかも。

 

読書の効用は三つある。

1.情報を得られる。

 世界は知らないことに満ちている。本を読むことで世界中の知らなかったことを教わることができる。

 

2.考え方を学ぶことができる。

本を一冊読んでおもしろかったり、感心したりしたら、そのままにしないで、著者の物の考え方は何が特徴か、どのように論じられているか、論理はどう展開されているか、と考える。

 

3.書き方を学ぶ。

本を読んで面白いと思ったら、それがどのように書かれているから感銘を受けたのかを考える。

 

考える上でまず大事なのは、問いかけ。

「当たり前だ」とか「昔からそうだった」と納得せず、昔からそうだとしても、なぜ昔からそうだったのか、と問う。

その問いに対して、自分なりの仮説を立てる。最初に仮説を立てなければ事柄は進まない。直感と想像を使って仮説を立てることが大事。

同時にみんながアッと驚くような仮説を立てる。

 

文章力と思考力はペアになる。

人はものを考えるとき、意識的にせよ無意識的にせよ、必ず文章の形で考える。だからこそ、文章力がないと考え方も精密を欠くものになる。

 

ものを書くときは、頭の中でセンテンスの最初から最後のマルまで作り、それを一気に書く。そして次のセンテンスに進む。そうすれば早いし、いい文章が書ける。

 

文章で一番大事なことは、最後まで読ませること。 当たり前だけど、難しい。

 

書き出しに挨拶は書くな。書き始めたら、前へ向かって着実に進め。中身が足りなかったら考え直せ。そして、パッと終われ。

 

最後の解説で、フランス文学者の鹿島 茂さんが、学生とのやりとりで再現て書かれている「思考のレッスン」の使い方がわかりやすくて面白かった。

 

 

この本は、いま僕が考えていることのヒントが満載でした。

 

「小説家になりたいのなら、大学で外国文学を勉強して、外国の小説の翻訳をやって、小説の書き方を勉強せよ」

 

これは是非やってみたい!

さすがに大学には行けないが、洋書を読んで研究したい。まず読めるようにならないといけないけど・・・。

 

考えることにもコツがあるということがわかった。だた、それが正解ではないと思うので、本書の内容を参考にしつつ、自分なりのコツを模索し、考えていくことが大事なんだと思う。

 

丸谷才一「思考のレッスン」

 

ぜひ、読んでみてください。