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学びとは何かを考える、よい学びの方法論

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何かを学びたいと思うことはあるが、そもそも学びとは何?って考えることなんてありますか?

僕はないです・・・。

 

そこで本日は、今井むつみ「学びとは何か  ー〈探求人〉になるために」をご紹介します。

 

著者の今井むつみ氏は、慶應義塾大学環境情報学部の教授で、認知科学言語心理学発達心理学の分野の研究者です。

 

この本では、認知科学の視点から学びについて考えられています。

 

その中から、少しだけご紹介したいと思います。

 

理解ができないと記憶ができない

人は、何か新しいことを学ぼうとするときには必ず、すでに持っている知識を使う。知識が使えない状況では理解が難しく、従って記憶もできない。(省略)すでに持っている知識が新しいことの学習に大きな役割を果たしているのである。 

 これは読書についても言えることで、全く新しい分野の本を読んだとき、何が書いてあるのか全然わからないですよね。そこで、一度読み、もう一度再読すると理解が得られるようになります。同じ本の再読ではなくても、その分野の違う本を読んでも同じことが言えます。そうして何冊も読んでいくうちに知識が増え、さらに理解することができるようになります。

 

「学ぶ」とは「真似る」こと

模倣から始めてそれを自分で解釈し、自分で使うことによって自分の身体に落とし込むということは言語や運動に限らず、すべてのことの学習・熟達過程について必要なことなのである。 

 僕はギターを弾くのですが、やはりギターも好きな楽曲のコピーから始まります。最初は指を押さえるところが書いてあるTAB譜という譜面でコピーするのですが、慣れてくると耳コピといって、耳で聴いたままで譜面を見ないでコピーができるようになります。そうすると、譜面では表現しきれていない雰囲気や強弱、癖などもコピーできるようになり、よりよい表現ができるようになります。

 

10年修行の法則

フロリダ州立大学教授で熟達の認知研究の第一人者であるアンダース・エリクソンによれば、国際的に活躍できる熟達のレベルになるには、どんな分野においても一万時間程度の訓練が必要になるそうだ。 

一日二、三時間、毎日練習をつづけると10年くらいになる。これを「10年修行の法則」という。

 何事も超一流になるには才能だけではなく、継続して努力することが必要なのですね。僕が何をやっても中途半端なのは、この「継続して努力する」ってことができないからです・・・。

でも、実際それが一番難しいことだと思う。「好き」というだけではなく「こうなりたい」という強い意志を持ち、それに向かって淡々と努力することが必要なんだろう。

 

探求人を育てる

最後に著者は、「自分の学びを自分で工夫する。自分の現状を的確に分析し、弱いところ、克服するべき課題が自分でわかり、自分でそのための学びを工夫できる」ような探求人を育てる教育を目標とするべきで、それを支援できるように指導者は自分の学びを深めていかなければならないと述べています。

 

「自分の頭で考える」これが学びには一番大切なことなんですね。

 

「学びとは何か  ー〈探求人〉になるために」

ぜひ、読んでみてください。