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宮本輝の『螢川・泥の河』は、甘酸っぱく、どこか懐かしい気持ちがした

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宮本輝の『螢川・泥の河』という小説を読んだ。

この小説はタイトルの通り『螢川』と『泥の河』の二編が収められている。

 

まずは『泥の河』から。

この話は、昭和の戦後間もない頃、大阪に住む少年「信雄」と、船に住む姉弟「銀子」と「喜一」の、夏の短い間の交流を描いている。

子供って素直だけど、少し残酷なところがありますね。

 

僕は昭和の戦後を生きていないけど、どこか懐かしい気持ちがしました。

それは親が子供だった頃の話だからかもしれない。

自分の子供の頃を思い出すような小説はいいですね。

 

次に『螢川』について。

この作品は、芥川賞受賞作です。

お隣の富山県が舞台の話なので親近感がありました。

ただ雪の描写が多く、今回の大雪で疲労困憊な時に読んだので少し憂鬱になりました。

 

竜夫という少年の、父との関係や友の死、初恋を描いた作品です。

富山が舞台なので、当たり前ですが会話は富山弁です。お隣の県なので方言のイントネーションなどがわかるので入り込みやすかったです。

この作品も、どこか懐かしく、甘酸っぱい気持ちがしました。

 

題名にあるように「螢(ホタル)」の話が出てきますが、この光景を一度は見てみたいと思います。でも条件が揃うのが難しいのでなかなか見れないでしょうね。

 

宮本輝の作品ははじめて読んだんですが、とても面白かったので、気になった方は是非読んでみてください。