はじめまして、ヒッチコック。
『裏窓』という映画を見た。
おそらく僕の記憶の限りでは、初めてのヒッチコック作品だろう。
主人公でカメラマンのジェフリーズが、足を骨折し車椅子生活となり、仕事にも行けず、出歩くこともできず、退屈しのぎで自分の部屋の窓から近所のアパートに住む人々の様子を眺めている。すると、ある家の、いつもいたはずの夫人がいなくなった。何かあったのでは。まさか…
といった内容である。
この映画のすごいところは、ほぼ全シーンが主人公の部屋の中と、そこから見えるアパートに住む人々の様子だけで進んでいく。
普通ならどこかにロケに行ったりするものだが、まるで舞台を見ているような気持ちになる。
この作品は撮影スタジオの中だけで撮っている。そのために地下階と一階の床を取っ払ってセットを組んだようだ。
そして、なんといっても僕が最も心を掴まれたシーンは、ジェフリーズがいつものように窓から外を眺めていて、ウトウトと寝入ってしまう。
そして目を覚ますと、目の前にブロンドの美女が見つめている。
画面いっぱいにその美女が映し出される。まるで自分の目の前にいるかのように。
その美女は、ジェフの恋人リザだった。
そしてそのリザを演じているのが、グレース・ケリーである。
「グレース・ケリー」
名前は聞いたことがある。しかし、顔を見たのは初めてだ。なんと美しい人だろうか。顔が綺麗なのはもちろんだが、どこか品もある。それは、いいところのお嬢様という設定のせいかもしれない。だかそんなことはどうでもいい。
いつものごとく、一目惚れだ。単純結構。
グレース・ケリーをwikiで調べると、マリリン・モンローと同時代で、「セクシーのモンローとクール・ビューティーのケリー」と言われていたようだ。彼女に品を感じたのはどうやら間違いではないようだ。
非常に恋多き女性として有名で、モナコ公国の君主と結婚し女優業を引退してしまったので、数本の作品にしか出ていない。
そして悲しいことに、車を運転中に脳梗塞を発症し、事故を起こし、52歳の若さで亡くなってしまった。
ヒッチコック作では「ダイヤルMを廻せ!」という作品にも出ているようなので、これは必ず見ないといけない。
グレース・ケリーの美しさを知るだけでも、この映画を観る価値はある。しかし、もちろん内容もしっかりと楽しめる。
主人公の部屋と、そこから見える世界だけでこの映画は進む。そしてそこに住む、一見エキストラのような人々、ひとりひとりにもしっかりと物語がある。
ぜひ見てほしい映画だ。
はじめてのヒッチコックにもオススメの映画です。